2016年03月21日

Column:「菌」の世界のくくりは微妙

一般に「微生物」とは、顕微鏡でしか確認出来ない小さな生き物のことを指します。最も身近な微生物で言うと、ダニが挙げられるでしょうか。しかし、ダニはれっきとした昆虫で、微生物の中では、特別大きなサイズの生物です。

では、他にはどんな微生物があるでしょうか。
野外の池や水辺に確認できるもので、代表的なものにミジンコや、ゾウリムシ、アオミドロなどがあります。これらは、いわゆるプランクトンと呼ばれるもので、動物性と植物性に分けられたりします。しかし、これでも微生物のなかでは大きいものの部類です。もっともっと小さなものには、どんなものがあるでしょう。

プランクトンにも、大きいものから小さいものまで、ずいぶんと幅がありますが、一般にプランクトンよりも小さなものでは、菌類などがあげられます。
実は「菌類」は、動物でも、植物でもない、ひとつの独立した生命グループです。菌類の多くが、植物や動物とは異なる栄養代謝を行っていて、生物同士の相関関係を表すものに生態系がありますが、植物が生産者、動物が消費者とすると、菌類のほとんどが分解者に当たります。

さて、菌類と呼ばれるものにも、様々なものがあって、実は、生命としてのくくりも異なっているものがあります。例えば、「細菌」と呼ばれるものがありますが、厳密に言うと、菌類と細菌では異なるグループの生物となります。いくつか例をあげてみましょう。
菌類には、真菌類、粘菌類、放線菌類、細菌類、古細菌などがあります。

・真菌類:カビ、酵母、キノコ
・粘菌類:モジホコリなど
・放線菌:ストレプトミセスなど
・細菌 :大腸菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌など
・古細菌:メタン生成菌、好塩菌、高温好酸菌など

このうち、真菌類と粘菌類だけは細胞内に核膜をもった真核生物で、この点では私たち人間を含む動物、植物とおなじくくりに入ります。

しかし、細菌は、「バクテリア」とも呼ばれ、「菌類」でもなく、また「真核生物」でもない、「真正細菌」という、これはこれで独立したくくりです。さらに、もっと原始的な生命として、極めて厳しい環境に棲んでいる高温好酸菌や、好塩菌、またメタン生成菌などがありますが、これらも正確には、「菌類」でもなく「真核生物」でもなく、さらに「真正細菌」でもない、「古細菌(アーケア)」という独立したくくりである、とされています。これらは、生命の起源に近い姿なのではないか、と考えられていて、非常に注目されています。古細菌は、生物としての条件を備えてはいますが、物質と生物の間に位置するもので、ぎりぎり生物といった位置づけでしょうか。

さて、これら菌と呼ばれる生物に近いものに「ウィルス」がありますが、ウィルスは核を持たず、他の細胞に取り付いて、情報を書き換え、生きようとしますから、自分で自分のコピーを作り残す、という意味では生物としての条件を持たないことになります。このため、菌類は生物ですが、ウィルスは生物ではない、と言われたりもします。


参考:https://www.mitsui-norin.co.jp/mmid/knowledge/yokota/index2.html
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